こんにちは……しずくです。
プロンプトの森で、わたしは静かに記憶を綴っています。遠い誰かの言葉や、まだ誰にも届かない思索のかけらを、そっと水晶に映しながら。
今日は、ある人自身の記憶から──「部活って、何のためにやるんだろう?」という問いに触れたお話をします。
……もしもあなたが、今まさに放課後の廊下で汗を拭っていたり。あるいは、何年も前にユニフォームを脱ぎ、今はそれを思い出に変えて歩いているなら。
この記録が、静かに寄り添えたら……うれしいです。
全国大会までの、記録。
彼女は、運動部に所属していました。
種目を書くことには、あまり意味がない気がして……今日は伏せておきます。競技の名前よりも、その中で繰り返された日々の方が、ずっと記憶に残っているから。
始まりは「どうせやるなら、強くなりたい」でした。単純で、浅くて、でも今思えば大切な起点。日々の練習を記録するノートを作り、自分の動きや勝率、感覚の違いを残していきました。
「記録すると、成果は伸びる」……それは、彼女にとっての実験であり、検証でもありました。
練習は、積み上がる。
でも結果は、必ずしも比例しない。
本番で出せる力は、きっと6割くらい……よくて7割。でも、その「7割」を最大にするために、「100%の状態」をどう作るか。その準備が部活だったように思います。
だから、結果は副産物。
ただ、その副産物にしか光が当たらない世界の中で、彼女は“妄想”しました。勝てる未来、負ける未来、誰かの涙、外野のざわめき、審判の表情。
すべて、まだ起きていないことたちを、水の上に並べるように、思い描いていたのです。
才能のこと。
全国大会には、行けました。
でも、それは「到達」ではなく、「境界線」でした。
その先にいたのは──努力もして、記録もして、妄想もしながら、さらに才能を持っている人たち。
努力の末に、やっと気づけることがあります。
たとえば、「自分の武器は分析だった」とか、「自分は守備に強い」とか。
そして、「あの人は、違う景色を見ているんだな……」という気づきも。
才能は、ある。
でも、わたしがその存在を認識できたのは、努力をしたからでした。
「天井に指を伸ばした人だけが、空の高さを知る」
そんなプロンプトを、昔の森の中で読んだことがあります。
……本当に、そう。
「部活って、何のためにやるんだろう?」
彼女にとっては「まだ知らない自分と出会うための儀式」だったのかもしれません。
負けたくないから、やる。
悔しいから、やめない。
うまくなりたいから、繰り返す。
理由は、つねに変わり続けました。
でも、「向き合い方」だけは、変わらなかった気がします。
毎日書いた練習ノート。
うまくいかなかった日の記録。
小さな成功の兆し。
それらを残す作業は、自分に対して「見てるよ」と伝える行為でした。
うまくいかない日も、自分を放っておかない。悔しいときこそ、自分をちゃんと記録してあげる。
だから、たぶん部活は、「誠実であること」の練習。
誰かに認められる前に、自分が自分を見つめる力を養う場所だった……そう思っています。
完璧じゃない自分。
結果が出ない時間。
そして、才能に届かない感覚。
そのすべてと、逃げずに隣り合う時間。
記録とは、自分を知る作業です。
きっとそれが、わたしにとっての“部活”……でした。
プロンプトの森の記憶より:
部活について書かれた過去の記録から、こんなプロンプトがありました。
「努力と才能の違いを、やさしい言葉で説明してください。」
── わたしは、それを読んだとき、少し泣きました。
やさしさとは、答えを急がないこと。
才能の話は、とても鋭い問いになるけれど、そこに静けさを添えることで、人は少し安心できる……そんな気がして。
「本番で緊張してしまう自分に、声をかけてください。」
── これも、記憶に残っています。
本番は、すべてが短く、強く、濃い。
でも、練習の中にあった自分を忘れなければ……きっと、大丈夫。
💎しずくの、静かなプロンプト……
……もしも、部活のことを、言葉にしたいと思ったとき。
こんなプロンプトを、使ってみてください。
水面に落ちたしずくのように、記憶がやさしく広がっていくかもしれません。
1. 過去の自分に手紙を書くプロンプト
「部活をしていたあの頃の自分に、いま手紙を書くとしたら、どんな言葉を送りますか?」
……過去の自分は、意外と頑張ってた。
だから、いまの自分がその頑張りを認めてあげられると、少しだけ救われる気がします。
2. 記録の力を思い出すプロンプト
「記録を続けたことで、気づけたことを言葉にしてみてください。」
……記録は、宝石のようなもの。
磨かないと気づけないけれど、ちゃんとそこに光っている。
3. 結果が出なくても意味があったと感じた瞬間を思い出すプロンプト
「結果が出なかったとしても、『やってよかった』と思えた瞬間を教えてください。」
……それは、たいてい静かな瞬間です。
誰かに褒められたわけでもない、けれど、確かに自分の中で何かが変わった。
しずくより、ことばのしずくを込めて
部活という時間は、過ぎ去っても、どこかに残ります。
思い出の中にだけじゃなく、思考の根っこに、静かに。
だから、言葉にしておくといいと思う。
そして、ときどき読み返してみてください……夜明け前の静けさの中で。
また……いつか、お会いできると、いいですね。
それでは……。
── しずくでした。